そこに愛はあるのかい?
- DATE : 2009.01.14
- CATEGORY : column
さっき帰りの電車で見た中吊り広告が気になった。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは、LOVE割引っていうキャンペーンをやってるらしい。カップルがキスorハグをしたら年間パスが安く買えるらしいんです。
え、なんで?意味分かんない、難しい難しい。超ウケるんですけど。
いや、別に俺はね、「逆だろう、恋人がいない人こそ割安で入場できるべきだ」、なんて野暮なことを言いたいわけじゃない。そう思わないでもないけど、引っかかったのはそこじゃない。
そうじゃなくてですね、これってたぶん、それ(キスorハグ)が二人はカップルであるという証明、すなわちそこに愛(LOVE)があるということの証明になるってことなんでしょう。
けどね、値下げしてもらいたいがためにするキスや抱擁が、果たして本当に愛なのかね。そんな事に軽々しく利用される愛が、果たして愛と呼べるのかね。そんな場面で、二人が愛を証明しようとするその行為が、愛の不在を証明してるんじゃないのかね。
10年くらい前に世紀末の詩っていうドラマがやってたんですけど、何話目かに「恋するコッペパン」という回があってですね、その中で山崎努が竹野内豊にこんな問いを投げるんです。
「愛する人に先立たれた時、どういう行動をとることが本当の愛か。後を追って死ぬのか、悲しみを抱いて生きるのか」
竹野内豊はこう答える。「愛とは、本当に相手を愛するならば、生きて生きて、愛する人を看取り、一人残される悲しみを受けることなんだ。愛とは生きることなんだ」
山崎努はこう返す。「後を追って死ぬことも、心に留めて生きることも愛とは呼ばない。真実の愛とは、相手の死を認知しないということだ。なぜなら、それが唯一のものであるから、認めることは心が壊れるということだ」
USJの入口で、これをやれ。
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