美容院の予約
- DATE : 2013.03.16
- CATEGORY : column
服屋に匹敵するアウェイ感スポットとして、おれに絶大な不人気を誇ってるのが、そう、美容院。
あのー、美容院ってマジでやばいですよね。ほんとマジでやばい。ちょっともう笑かそうとしてんのかなってくらいアウェイ感を演出してきますよね。なんだろあの感じ。あの男性スタッフの感じ。あの男性スタッフの余裕に満ち溢れた感じ。余裕の上に余裕を重ね着してる感じ。余裕という名の翼で余裕という名の空を羽ばたいて余裕という名の大海原を渡り余裕という名の街を見下ろして余裕という名のごめんちょっとなに言ってるかわかんなくなってきた。
とにかくまあ、あの、男性スタッフのあの感じがすごいアウェイ感を演出してくるわけですよ。でまあ、それだけが理由ではないんだけど、とにかくおれは美容院がほんとに苦手で。
まずもう予約の電話をする時点でだいぶ緊張するんだけど、なんかあのすごいイヤなのが、スタイリストかトップスタイリストかを選ばせるみたいなシステムあるじゃないですか。あれはもうほんとマジでやめてほしい。なにがイヤかってあれあのトップスタイリストだと500円くらい料金が高くなるみたいなシステムじゃないですか。だから普通のスタイリストを選ぶと「なんだよこいつ、500円くらいケチんなよ」って思われてそうな気がするんですよ。500円を払いたくないから普通のスタイリストを選んだみたいな空気になるんじゃないかなって。「そんなにしょっちゅう来るわけでもないのにケチケチしやがって」って思われてる気がして、普通のスタイリストを選びにくい。
で、で、で、でですね、じゃあ、トップスタイリストのほうを選んだらどうなるかっていうとですね、それはそれでまずいんですよ。トップスタイリストを選ぶとですね、「なんだよこいつ必死だな、そんなにモテたいのかよ」ってなるんですよ。なんかあの、ちょっとでも腕のいい人にやってもらって見た目をよくしたがってるみたいな感じになる。で、なんか、「いくらトップスタイリストでもおまえみたいな気持ち悪い顔じゃどうにもできねえよ」とかって思われるじゃないですか。ねえ、思われるじゃないですか。え、そんなこと思ってんの。
おい!そんなこと思ってんのか!そんなこと!おい!そんなことを!思って!いるの!か!ムキー!おまえが500円くらいケチんなよって言うから選んだんだろうが!おれはスタイリストでもトップスタイリストでもアルピニストでもなんでもいいんだよ!なんで予約するだけでこんなイヤな気分にならなきゃいけないんだ!もう帰る!まだ家だけど帰る!
とまあ、予約するだけでこんな恐ろしいことになるわけですよ。どっちを選んでもなんか電話の向こうで馬鹿にされてる気がする。
でも、あの実はですね、これだけ言っといてあれなんですけど、おれがかれこれ10年以上行ってる美容院は、このスタイリストかトップスタイリストかを選ばせるシステムがないんですよ。まあ、そのシステムがないからずっと行ってるってのもあるんだけど。そのシステムがあるところは絶対に二回目は行かないですから。でもあの、その選ばせるシステムはないんだけど、「担当のご指名はありますか?」っていうシステムはある。なんかお気に入りの美容師とかを指名するやつ。
もうー、これもやめてー。これもだめだからー。だめなやつだからー。やめてー。やめてー、っていうか、いや、あの、これ厳密に言うと、やめてじゃなくてもうちょっとなんか工夫をしてほしいんですよ。
あのー、おれはですね、おれはっていうか男性客はみんなそうだと思うんだけど、女性の美容師さんのことを指名しづらいんですよ。普通は絶対そうだと思う。絶対恥ずかしくて女性の美容師さんは指名できない。平気で女性の美容師さんを指名するような男はたぶんそれゴリラだからすぐ警察呼んだほうがいい。
だってもうむき出しじゃないですか。下心むいちゃいましたじゃないですか。男性客が女性の美容師さんを指名するとか、もうそれしかないじゃないですか。技術とかもうどうでもよしおちゃんじゃないですか。女の人と接近したい、におい嗅ぎたい、触れられたい、前かがみになったときの胸元を鏡越しに凝視したい。もうそれしかないじゃない。だってもう、それしかないじゃない。
そんなことはもうみんなわかってるわけですよ。みんなとっくにご存知なんですよ。電話の向こうで、「このおっさんかわいい女性スタッフばっかり指名して下心見え見えだな、気持ち悪いな、早く禿げ尽くしたらいいのにな」って思われるわけですよ。そう思われるってわかってて女性の美容師さんを指名するなんてできるわけない。そんなのできない。そんなのゴリラじゃなきゃできない。
だからおれはいつも指名なしで予約するんだけど、そうするとだいたい男性スタッフに担当されることになる。
なんでなんだ。なんで金払って男性スタッフに髪切られないといけないんだ。男に髪切られるとかただの傷害事件じゃないか。
もー!おれは女の人に切ってもらいたいの!女の人と談笑しながら隙あらばにおい嗅いだり胸元見たりしたいの!そのためにお金払ってるの!別に技術とかどうでもいいの!適当にひきちぎっといてくれたらいいの!なんでわたしの気持ちわかってくれないの!あなたは毛先は揃えられてもわたしの気持ちは揃えられないのよ!ごめん!今のは意味わかんないね忘れて!
えっとなんだっけあの、あれ、ああそうそう、男性スタッフには担当されたくないっていう。そう、とにかく女性スタッフを指名したいけど恥ずかしくてできないっていうおれの気持ちを店はもっと理解するべきなんですよ。理解して女性スタッフを指名しやすい環境というかシステムみたいなのを作ってほしい。
たとえばなんだろ、女性スタッフ指名用の電話番号と男性スタッフ指名用の電話番号を別で用意するとか。
女性スタッフ指名用の番号にかけて予約すると、指名しなくても女性スタッフのだれかが担当してくれる。で、その番号は頻繁に入れ替わる。こないだまで男性スタッフ指名用だった番号がある日女性スタッフ指名用に替わってることがよくある。だから男性スタッフ用の番号にかけたつもりが女性スタッフ用の番号に繋がっても全然おかしくない。でも、ホームページで確認すれば今どっちがどっちになってるかちゃんとわかる。でも確認せずにかける人もいるからかけ間違えても全然おかしくない。男性スタッフ用にかけるつもりが女性スタッフ用にかけてしまっても全然おかしくない。「あれ?女性スタッフ用のほうに繋がっちゃった?まあいいか、かけ直すのめんどくさいから今回は女性スタッフのだれかでお願いします」ってなっても全然おかしくない。それが100回続いても全然おかしくない。それは全然おかしなことじゃない。
処之助さんの文章はリズム感があって、
すらすら読めるので気持ち良いです♬
処之助さんの言葉のリズムの才能は稀有すぎます!
なので、
いつか処之助さんにお会い出来たら、
ご自分のブログを音読して貰う事がわたしの新しい夢です!^^
女性スタッフだけの美容院がぼこぼこ出来る様、
お百度参りに行って来ますね☆
Love ∞ vivia