間違った情報で得する

  • DATE : 2012.02.13
  • CATEGORY : column

あのー、今ですね、すごく時間がある。自由に使える時間がものすごくある。アルバムの収録曲が全て再生された後、いつ流れ始めるか分からないボーナストラックを三角座りしておとなしく待ってられるくらい時間がある。

で、まあ、その自由に使える時間を少しでも有意義に使おうと思ってですね、最近DVDをレンタルして映画をたくさん観てるんですよ。で、あのー、映画の醍醐味のひとつはやっぱりあれじゃないですか、あの、「そうきたかー!」みたいなやつ。だれが犯人かわからなくて最後に「おまえだったかー!」みたいなやつ。「だまされたー!」「裏かかれたー!」みたいなやつね。

結末がどうなるか読めない、なんとなく読めたと思ったらその裏をかかれる、みたいなのがすごく気持ちいい。

で、あのー、映画って観る前からもうすでに多少の内容は分かってるじゃないですか。CMの予告編とかDVDのパッケージの解説とかで、ああこいつとこいつが恋に落ちるんだなとか、船が沈むんだなとか、差し支えのない情報が観る前から多少は入ってくる。

こないだ借りて観た映画もですね、どこかで見たか聞いたかして内容を少しだけ知ってた。なんかそこそこ有名な女優さんが演じてる登場人物が殺されちゃうみたいなことは分かってた。で、「ああ、この人が殺されちゃうのかー、もうすぐ死んじゃうのかー」って思いながら観てたんだけど、なかなか殺されない。でも、殺されるのは分かってるから、「どうせもうすぐ殺されるのになー、可哀想だなー」って思って観てた。で、結局最後まで殺されなかった。

え!なんで!殺されるって言ったじゃん!こっち殺される前提で観てるじゃん!「こいつ怪しいな」とか「あれ、今の伏線なんじゃないの」とか「だめ、そっち付いて行っちゃだめ!殺されちゃう!」とかいろいろ考えたじゃん!「この女性が殺されるということは、この男が真っ先に疑われるけど、それじゃありきたりだからたぶんこの良い人ぶってる奴が真犯人だろうな。この鬼畜が!」って良い人のことありもしない殺人事件の犯人として見ちゃったじゃん!普通に良い人だったじゃん!裏があると思って見てたから本当に良い人だって分かったとき凄く感動しちゃったじゃん!勝手に誤解がとけて感動しちゃったじゃん!変な絆が芽生えたじゃん!殺されちゃう予定の女性にも段々感情移入しちゃって「死なないで!死なないで!」って祈ったじゃん!死ななかったじゃん!命の尊さ学んだじゃん!ありがとう!生きててくれてありがとう!

という感じで、えっと、まあ、たぶん単純に俺の記憶違いでこうなったんだとは思うんですけど、勘違いしてたおかげで逆にすごく楽しめた。頑張って裏をかく演出とかしなくても、予告編とかでウソ言っとけば確実に裏かけますよ。

そういえば、中学の時、転校してきた女の子が同じマンションに住んでるって誰かに聞いて、朝とか偶然を装って一緒に登校しようとしたけど卒業するまで一回も会えなかった。っていうか住んでなかった。でもおかげで遅刻減った。


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